『読売新聞』静岡版2008年4月27日付

静岡大に地域窓口 産学連携「協働センター」


静岡大(興直孝学長)は中長期的な運営方針を示した「ビジョン(展望)と戦略」を公表した。地域社会への貢献を強調し、自治体や外部組織、産学官連携の総合窓口となる地域連携協働センターを4月中に新設することを明示した。

主な方針では、教員養成のための教職大学院の2009年度開設を目指し、県立大、静岡産業大との経営分野での共同大学院の設置も目標に掲げた。

大学院では、海外提携先でも学位取得できる制度の拡充や留学生、日本人学生の9月入学、留学生の授業料免除など支援策も盛り込んだ。理系博士課程はすべて英語で授業を行うことも検討する。

学部教育では、卒業認定試験など達成度を把握する体制も挙げた。

研究では、地元産業の特徴に合わせ、生命・環境など学部を超えたテーマごとのプロジェクト型研究を進める。研究を支える補助金など外部資金の積極的な獲得を目指す、としている。

新設する地域連携協働センターは、県や住民組織などとの連携を進めるほか、生涯学習、防災などの学内組織をとりまとめたうえ、知的財産の活用や企業との産学連携の役割も担う。

興学長は「大学の存在意義について議論し、今後の大学運営の方向性を打ち出した。全学で共有するよう周知したい」と話した。