『読売新聞』山梨版2008年4月28日付

教職大学院、梨大が申請へ
来年度開設向け国に


山梨大(貫井英明学長)は、教職大学院の設置を文部科学省に申請する方針を固めた。2009年度の開設を目指す。認可されれば、県内では初。県や県教委と調整中で、5月中に申請する予定だ。

内容は小中学校教育を対象とし、理科教育、いじめ問題への対応などを予定。理科教育は、「理科離れ」が指摘されていること、同大工学部の研究内容やスタッフを活用できることから選んだ。指導にあたる教授には同大の教授のほか、小中学校の教育現場経験者も入る。

定員は15人程度。学部卒業生のほか、教育現場でリーダーとなれる中堅教諭を育てるため、定員の半数程度は、現職の小中学校教諭となることを期待している。

貫井学長は取材に対し、「大学として、山梨の教員のレベルアップに貢献したい。実現、成功には(教員派遣など)県教委の協力、支援が欠かせず、連携を緊密にしたい」としている。

教職大学院は今年4月から全国で設置されているが、カリキュラムに地域性や独自性が反映されている。常葉学園大(静岡市)は、静岡県内に日系ブラジル人が多いため、「国際理解教育論」を必修化。鳴門教育大(徳島県)は、軽度発達障害児の支援を盛り込んだ。京都教育大は、府内の同志社大、京都産業大、立命館大など7私大と合同で大学院を設置し、大学間の垣根を越えて、教員養成に取り組んでいる。

教職大学院 実践的な指導力を備えた新人教員、学校現場で中核となる現職教員の養成などを目的に、今年4月に設置が始まった。標準修業期間は2年で、小学校などでの授業実習も行う。修了者には「教職修士」の学位が授与される。教授には学校長や指導主事経験者など「実務家教員」も置く。東京学芸大、早稲田大など、国立大学法人、私立計19大学でスタートしている。