『河北新報』2008年4月28日付

東北大基金を創設 寄付の10億円原資に


東北大は28日までに、東北大研究教育振興財団から寄付を受けた10億円を原資に、東北大基金を創設した。運用益は公的資金を補う大学独自の財源として活用する。

財団は創立100周年記念事業として募金活動を展開。寄付金37億6000万円と物品9000万円分、半導体研究所の資産24億円相当の寄贈を受け、10月開館予定の「百周年記念会館(仮称)」建設資金などを除く10億円を大学に寄付した。

大学は基金を運用し、教育研究環境の整備、企業・社会との連携、国際交流促進、学生支援などに充てる。5月にも学内外のメンバー約20人による基金運営委員会を設ける。

同大の井上明久総長は運営費交付金、授業料、科学研究費補助金に次ぐ第4の財源として、独自の裁量で使える基金の創設を100周年記念事業の柱としてきた。

28日、仙台市青葉区の片平キャンパスで目録贈呈式があり、財団の西澤潤一理事長が井上総長に目録を手渡した。井上総長は「世界リーディング・ユニバーシティーを目指し、発展するための財源として活用する」とあいさつ。西澤理事長は「大いなる成果を挙げてほしい」と述べた。

井上総長は半導体研究所の寄贈に対し、名誉所長である西澤氏に感謝状を贈った。