『佐賀新聞』2008年4月24日付

佐賀大とタイの工科大が二重学位協定


佐賀大学は23日までに、タイのアジア工科大学(AIT)とデュアル・ディグリー(二重学位)プログラムの協定を締結した。留学先での修得単位を認め、卒業時に双方の学位を与える制度で、佐賀大側は大学院工学系研究科の修士課程でスタート。アジアトップレベルの人材育成へ、早期派遣を目指す。

AITはタイのバンコクにある大学院大学で、1959年に開学。最先端の工学系教育を英語で実施している研究・教育拠点で、アジアを中心とした約40カ国から2000人が学んでいる。

協定では、佐賀大から留学する場合、1年目に大学院で24単位を修得。2年目にAITで24単位を修得すれば、両大学の学位が同時に得られるよう定めた。毎年3人までとし、授業料は母校に納めれば、留学先については免除する。

両大学は、教員間の交流がきっかけで2007年、学術交流協定を締結。サイド・イランドーストAIT学長がタイで今月17日、二重学位の協定書にサイン。最終的に佐賀大で21日、長谷川照学長が署名した。

佐賀大は二重学位をめぐり、韓国・台湾の3大学と提携の覚書を交わしてきたが、具体的な協定締結には至らず、今回が初めて。長谷川学長は「二重学位は大学間交流の理想型で、学生の就職に有利」と語り、こうした仕組みが大学志願者そのものの増加につながることも期待している。

両大学は今後、専門領域のすり合わせや研究テーマの連続性を見極めながら、留学希望者を募る。軌道に乗れば、佐賀大側は経済学研究科から、経営工学分野への派遣も検討する。