『河北新報』2008年4月25日付

産学官連携し人材育成 54団体参加 岩手県


岩手県の達増拓也知事らが呼び掛けてきた産学官連携組織「いわて未来づくり機構」は24日、盛岡市のホテルで設立総会を開き、正式に発足した。県内の54団体が参加。県民所得の向上などを目指す岩手の将来ビジョンをつくり、「人材育成」などに取り組むことを確認した。

総会には県内の経済団体、大学、研究機関などの関係者ら約100人が出席。達増知事、岩手経済同友会の永野勝美代表幹事、岩手大の平山健一学長が共同代表に就任した。

達増知事は1人当たり年間240万円にとどまる県民所得や医師不足などに触れ、「県民の生活、経済の発展に向け、県内の英知を結集したい」と協力を求めた。

機構の運営方法については、共同代表を含む7人によるラウンドテーブルが将来ビジョンなどを提言していくことを決定。「人材育成」「産業基盤の集積・強化」「一次産品の高機能化」「岩手ブランドの国内外展開」「医療と福祉」を検討テーマにすることにした。

具体的な調査や研究はテーマごとに設ける作業部会が担当し、会員団体などが実践に移す方針も確認した。

総会に続く初のラウンドテーブルでは検討課題をめぐって、「自動車関連などの企業誘致のためにも人材育成が重要」「県民所得向上には一次産業の発展が不可欠だ」などの意見が出された。

機構はJR盛岡駅西口のアイーナに事務局を常設し、県職員ら2人が常駐する。

機構の創設は「岩手の発展には産学官のネットワークによる大きな枠組みが必要」と発案された。