『毎日新聞』愛知版2008年4月18日付

愛教大:存在感ある大学目指す−−松田新学長が会見


◇モノづくりに精通した教員養成

今月1日付で愛知教育大(刈谷市)の学長に就任した松田正久氏(60)が記者会見し、6年間の任期における大学運営の基本方針や改革計画などを明らかにした。この中で松田氏は「存在感のある個性的な大学」をめざし、モノづくりが盛んな県内にふさわしい教員養成や地域に開かれた大学運営を進めることを強調した。

松田氏は冒頭「効率化のみの安易な国立大学の再編・統合には反対」と述べ、国からの運営交付金についても「大学の基盤的経費の一部であり、競争原理による配分はなじまない」と配分の見直しに強く反対した。

県の特徴を生かした地方の教育大ならではの取り組みとして、(1)モノづくり地域に対応し、科学やモノづくりに精通した教員(2)三河地方に多い外国人児童に対応し、その教育に携わる教員(3)奥三河などの独特な文化に対応し、その継承や保存の担い手−−などの養成を挙げた。

また、教育改革の課題として、(1)教員の能力や質を高めるため、現在4年制の教員養成課程を教職大学院などで6年制に延ばす(2)近隣大学と共同で大学院に博士課程を新設する(3)来年度から始まる教員免許更新制度に他大学や教育委員会と連携して臨む−−などの考えを示した。

さらに、地域に開かれた大学として、市民が自由に参加できる講演会や講座、イベントなどの拡充を図るという。【安間教雄】