『毎日新聞』石川版2008年4月11日付

大学法人化検討委:県立大と県立看護大「早期に法人化を」 知事に提言


◇1法人2大学形態で

県立大(野々市町)と県立看護大(かほく市)の法人化を検討してきた県公立大学法人制度活用検討委員会(座長、近藤修司・北陸先端科学技術大学院大教授)は10日、「1法人2大学の形態で早期に法人化すべきだ」などの提言をまとめた報告書を谷本正憲知事に提出した。谷本知事は「十分参考にして、早急に具体的な対応をする」と、法人化に前向きな姿勢を示した。

検討委は、少子化による学生数の減少などで大学間の競争が激化するのに伴い、効率的な運営で両大学を魅力あるものにしようと、学識者ら15人が昨年12月から4回にわたり議論を重ねてきた。

報告書では、両大学の現状を「県の一組織のため、機動的な人材配置、予算配分などが不可能で、経営の観点から将来の戦略を企画する機能が不在」と指摘。早期に法人化に踏み切り、一元的な経営で連携強化を図るため、1法人による経営を提言した。その上で教員の活動を評価するシステムの構築を勧め、生物資源と看護の大学として県の発展に貢献することなどに配慮するよう求めた。【高橋慶浩】