『神戸新聞』2008年4月5日付

教職大学院スタート 兵教大「授業力」向上へ


兵庫教育大学(加東市)は四日、教員の「授業力」向上などを目的とした教職大学院の開設記念式典を開いた。現職教員三十六人を含む全国最多の八十五人が入学。現場実習など実践的なカリキュラムを設け、将来の校長など現場のリーダーを養成する。(金井恒幸)

教職大学院は、政府による教員資質向上策の一つ。本年度から十九校が開設され、県内唯一となる兵教大は定員百人に百二人が受験。兵庫県出身の三十四人を含め、二十二都府県から八十五人が入学した。

内容は「学校経営」「授業実践リーダー」など四コース。二百以上の学校や教育委員会と連携したインターンシップを導入。どうやって子どもに授業への興味を持たせるかなど、課題を解決する実習に力を入れる。

教育ジャーナリストや米国のスクールカウンセラーなど教授陣も多彩。道徳や生活指導など「心の教育」も重視する。

式典で梶田叡一学長が「教職大学院は教育改革の大きなステップ。今まで以上にレベルの高い教員を養成したい」と意義を強調。入学した姫路市立朝日中学教諭の重近世都子さん(47)は「心の教育を重点的に学び、得たことを学校で子どもたちに返していきたい」と話していた。