『河北新報』2008年4月3日付

昇格したい人手を挙げて 東北大、自薦式導入


東北大は今春、人事制度改革の一環として、事務職員の課長・事務長への登用制度に「自薦式」を導入した。2008年度人事では、自ら名乗りを上げた課長補佐クラスから新課長らを決めた。職員のやる気を引き出して組織の活性化を促すとともに、人事考課の透明性を確保するのが狙い。

課長・事務長は全学で約70人。80人ほどの課長補佐・専門職の中から年に3、4人が昇格している。これまでは所属長の推薦などで昇格者を決めていた。

課長補佐らを対象に2月、新制度実施を伝えたところ、約20人が立候補。理事5人が面談し、業績や昇格後に取り組みたい仕事を聞き取り調査した。資料を用意し、大学への提言を積極的にアピールした職員もいたという。

大学は「結果は本人と所属長にしか告げていない」として、昇格人数を明らかにしていないが、能力や適性を考慮して判断したという。

折原守理事(人事労務・施設担当)は「手上げ式は東北の気質になじまないのではとの懸念もあったが、予想以上の立候補者があった。職員の意欲を感じた」と手応えを語る。

東北大は、卓越した業績を挙げた教授に手当を上乗せ支給する「ディスティングイッシュト(優秀な)プロフェッサー」制度も導入。競争力を高めるための人事制度改革を進めている。

折原理事は「法人化以降、人件費抑制に伴いポストや人員を減らさざるを得ない。人材を育て、教職員一人一人の力を平準化することが必要だ」と話している。