『毎日新聞』2008年4月5日付東京夕刊

工学系進学情報誌:「女子高生向け」創刊 16大学が編集協力


工学系大学への進学にターゲットを絞った女子高生向け無料情報誌が今春、創刊した。工学部の進学希望者はここ10年で半減し、特に女子学生が占める割合は他の学部に比べて低い。こうした現状に、大学側が危機感を持っていることが背景にあり、工学系学部がある東京大、東京工業大、早稲田大、中央大など16大学が編集に協力した。

情報誌は、東京都千代田区の企画会社「アネスタ」が発行する「ハッピーテクノロジー」。8万部を製作し、全国の希望する高校に配布している。

A4判72ページの創刊号では、「工学系がわかる」というテーマで、工学系学部の入試科目、研究室での生活や女性に人気のある研究テーマ、卒業後の就職状況など、高校生が気になる情報を紹介している。また、工学部で学んだり、企業の技術者として働く女性たちのインタビュー記事を積極的に掲載した。進路選択の理由や研究開発の面白さ、充実感などを実体験として語ってもらい、志望の呼び水にすることをねらっている。同社は「日本は技術立国と言われるが、先進国の中では女性エンジニアが少ない。進路選択の参考にしてほしい」と話しており、今秋に次号を発行する計画だという。

文部科学省の学校基本調査(05年度)によると、工学系学部生に占める女子学生の割合は約10%で、理学(25%)、農学(40%)に比べても少ない傾向にある。【下桐実雅子】