『西日本新聞』2008年4月5日付

九州大学伊都キャンパス 教育棟完成半年遅れ 図書館も 業者側が契約解除


九州大学は4日、移転整備を進めている同大伊都キャンパス(福岡市西区)で、増築する理系図書館と新築する数理学研究教育棟の利用開始が計画から半年遅れの2009年10月にずれ込む見通しを発表した。建築確認審査の遅れなどから、建設契約を締結していたロッテ建設(東京)と勝村建設(同)の共同企業体(JV)が契約解除を申し出た。同大は「別の業者を探すが、教育研究への影響はほとんどない」としている。

同大によると、工事は2階建ての図書館を4階建てに増築し、6階建ての教育棟と両建物をつなぐ渡り廊下を新築する内容だった。同大は昨年9月の入札で、同JVと約20億7000万円で契約していた。しかし、建築確認を厳格化した昨年6月の建築基準法改正の影響で、今年1月までを見込んでいた審査に遅れが生じ、九大側は直ちに着工を求めたが「JV側は打開策の協議にも応じなかった」という。

契約解除は3月下旬に要請があり、同大は4日、解除を認める文書をJV側に送った。教育棟には教員約70人が研究室を置く予定だが、完成までは移動を見合わせる。

ロッテ建設の担当者は「解除を要請したのは事実だが、具体的内容はコメントできない」としている。