『中国新聞』2008年4月1日付

医師配置や広域連携研究 山口県が寄付講座


医師不足が深刻な問題になる中、山口県と山口大は三十一日、医師の効率的な配置や広域的な医療連携を研究する「地域医療学講座」の開設について協定を結んだ。県の寄付で山口大が設ける「寄付講座」で、研究成果は施策に反映させる。

県庁であった締結式で、二井関成知事と丸本卓哉学長が協定書に署名した。二井知事は「医師の偏在や勤務医不足など課題は多い。地域医療体制の整備を加速化させる」と述べ、丸本学長は「課題解決に貢献し、県との連携を強めたい」と応じた。

講座は二〇〇八、〇九年度の二年間で県が計五千万円を支出。医師配置▽医療機能連携▽過疎地での総合診療医の養成▽広域的な救急医療の支援―の四テーマを研究する。国立保健医療科学院疫学情報室長の福田吉治氏を教授に、北九州市の大手町病院脳神経外科部長の米田浩氏を助教に迎える。

地域医療をテーマに、地元の国立大に寄付講座を設けるのは中国地方五県では初めてとなる。(高橋清子)