『神奈川新聞』2008年3月26日付

横浜市大の新理事長/前横浜市副市長の本多氏に


横浜市の中田宏市長は二十六日会見し、横浜市大の宝田良一理事長(60)が任期を一年残して今月末で辞任することを正式発表した。後任には前横浜市副市長の本多常高氏(65)=市信用保証協会会長=を四月一日付で任命する。

市大は嶋田紘医学部長(64)が医学博士の学位を取得した大学院生らから謝礼金を受け取っていた問題で揺れている。中田市長は副市長として約五年、中田市政を支えた「女房役」の起用により、全容解明や再発防止を求める意向だ。本多氏は「新学長に就任する布施勉氏とともに大学改革を進め、市大を市民の誇る大学として発展させたい」とコメントした。

中田市長は本多氏について「豊富な行政経験と広い人脈を持ち、経営能力、組織運営能力にもたけている。課題に直接向き合い、堅実に対応できる」と説明。謝礼金問題にも触れ「解決すべき最優先課題。この難題を解決するためにもふさわしい人材」と強調した。

宝田氏からは今月上旬に「市大の改革に一定の方向付けができた」などとして辞任の意向を伝えられたと明かし、「大学改革を推進していただき、深く感謝したい」と述べた。

本多氏の任期は当面、宝田氏の残余期間の二〇〇九年三月末まで。