http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/doushuu/080324honbun.pdf

道州制ビジョン懇談会中間報告

抜粋(新首都圏ネット事務局による)

4、国、道州、基礎自治体の役割と権限

(2)道州の役割
 道州は、基礎自治体の範囲を越えた広域にわたる行政、道州の事務に関する規格基準の設定、区域内の基礎自治体の財政格差などの調整を担う。具体的には、@広域の公共事業(大型河川、広域道路、空港港湾の整備・維持、通信基盤、生活環境整備など)、A科学技術・学術文化の振興、対外文化交流、高等教育(大学相当以上)、B経済・産業の振興政策、地域の土地生産力の拡大(林野・農地の維持)、C能力開発や職業安定・雇用対策、D広域の公害対策、環境の維持改善、E危機管理、警察治安、災害復旧、F電波管理、情報の受発信機能、G市町村間の財政格差の調整、公共施設規格・教育基準・福祉医療の基準の策定などを分担する。なお、住民の安全安心については検討し、最終報告書に盛り込むこととする。また、道州の機構は簡素を旨とし、道州内分権を徹底する。

(3)国の役割
 国の役割は、国際社会における国家の存立及び国境管理、国家戦略の策定、国家的基盤の維持・整備、全国的に統一すべき基準の制定に限定する。具体的には、@皇室、A外交・国際協調、B国家安全保障、治安、C通貨の発行管理及び金利、D通商政策、E資源エネルギー政策、F移民政策、G大規模災害対策、H最低限の生活保障、I国家的プロジェクト、J司法、民法・商法・刑法等の基本法に関すること、K市場競争の確保、L財産権の保障、M国政選挙、N国の財政、O国の統計及び記録の16項目を基本として検討していく。
 また、生活保護、年金、医療保険等のナショナルミニマムならびに警察治安・広域犯罪対策については、十分な議論を行い、基礎自治体と道州が果たすべき役割と、国が責任をもつべき部分を検討する。
 このように、国の役割を国家の存立や国全体にかかわるマクロな政策分野にかかわるものに限定することによって、国家公務員数は大幅に削減されるとともに、国際リスクの回避や国益の拡大など、国家として対応すべき課題への高い問題解決能力をもつ優れた政府を実現することができる。