『南日本新聞』2008年3月14日付

「薩長連合」学問で 鹿大と下関市大が協定書調印
焼酎やフグのブランド戦略研究


鹿児島大学大学院の人文社会科学研究科(木部暢子研究科長)は2008年度から、山口県下関市の下関市立大学大学院経済学研究科(濱田英嗣研究科長)と学術交流することを決め、13日、下関市立大学で双方が協定書に調印した。

現代版「薩長連合」という広域連携によって地域活性化に貢献するとともに、新しい時代に対応した大学の在り方を探る。下関市立大は経済学部のみの単科大学。

初年度は鹿児島の焼酎や下関のフグなど地域産品のブランド化戦略をテーマに、それぞれの現状や課題を比較研究する。次年度以降は食品ブランド理論の体系化をめざし、品質管理や保証の在り方を考える。研究成果はインターネットや出版物などで公開する。今秋にはシンポジウムも開く予定。

学生の交流として、鹿児島大学の院生は下関市立大が行っている海外実習に参加し、下関市立大の院生は鹿大が設置している奄美サテライト教室で学ぶ。また、集中講義方式による相互授業やネットを利用して遠隔講義も実施する。

協定書に調印した下関市立大の坂本紘二学長は「九州の端っこにある鹿児島大と本州の端っこの下関市立大が互いに補い合い特質を生かし合うことで、新たなものを生み出したい」と話し、木部研究科長は「旧国立大と公立大の連携は最先端の試み。地域ブランドの研究に取り組むのは大学では珍しいと思う。(地域で)活躍できる人間を育成したい」と話した。