『中日新聞』2008年3月16日付

来春にも原子力研究所 福井大、連携大学拠点設立へ会合


福井大と京都大、大阪大、名古屋大などが連携して原子力やエネルギーの研究に取り組む拠点施設の設立を目指す「広域連携大学拠点検討委員会」(委員長・福田優福井大学長)の初会合が15日、福井市の福井大文京キャンパスであった。

福田学長は委員会後の会見で、来年4月にも福井大付属国際原子力工学研究所(仮称)を文京キャンパス内に立ち上げ、施設整備などが整い次第、敦賀市に研究所機能を移す構想を明らかにした。

今年10月に運転再開を目指す高速増殖原型炉「もんじゅ」など県内の原子力施設を活用した研究を進め、地域の活性化につなげる狙いで県が2005年度から取り組んでいる「エネルギー研究開発拠点化計画」の一環。

特別顧問を務める有馬朗人元文部大臣をはじめ、旭信昭副知事ら委員17人が出席した。来賓として西川一誠知事と河瀬一治敦賀市長が、オブザーバーとして関西電力の森本浩志副社長ら6人がそれぞれ同席した。

有馬特別顧問はあいさつで「世界は深刻な温暖化問題に直面しており、安全なエネルギー源として原子力をさらに活用していく必要がある。日本や世界を救うため、エネルギー問題の研究を広域連携大学拠点で進めていただきたい」と述べた。

福井大側は拠点施設として同研究所を敦賀市に設立することを目指しており、委員会内に設ける「研究所設立準備部会」で同研究所の在り方を検討していくことを提案。委員会の了承を得た。

福田学長は「もんじゅやふげんがそろう敦賀の特色を生かし、世界トップレベルの研究を進めていく」と意気込みを語った。

 (小島香子)