『山形新聞』2008年3月12日付

国民目線の大学運営へ抱負 結城山形大学長が講演・米沢


米沢市と学園都市推進協議会(会長・佐藤良吉米沢商工会議所会頭)が主催した「学園都市講演会08」が11日、同市の伝国の杜で開かれ、山形大の結城章夫学長が「大学が取り組むべき課題と目標−山形大の挑戦−」と題して講演した。

講演で結城学長は、少子化で18歳人口が年々減少することなどを背景に、大学・短大の総定員数と進学希望者数が同じになる「大学全入時代」を迎え、大学間の競争がさらに激化すると指摘。一方で大学間で協調と連携も進み、「国立・公立・私立の壁を越えた再編、統合が全国的に起こりえるのではないか」と展望した。

その上で、生き残りを懸けた改革の一環として大学経営における意思決定のスピードアップや事務手続きの簡素化、合理化に取り組んでいることを紹介。山形大が2008年に取り組むべき課題と目標をまとめた行動計画「結城プラン2008」を解説しながら「社会の常識、国民目線での大学運営を心掛けたい」と抱負を語った。

山形、米沢、鶴岡の3市にキャンパスが分散していることについては「移転統合は考えていない。県内の重要都市に根を張る分散キャンパスをメリットにするため、各学部を大学の戦略拠点として地域貢献や地域連携を進める必要がある」と述べた。