『北海道新聞』2008年3月9日付

来たれ北大へ 道外の高校生に環境問題でPR 東京でガイダンス


科学を学ぶ意義や楽しさを伝える北大の「科学技術コミュニケーター養成ユニット」(代表・杉山滋郎北大大学院理学院教授)は八日、東京都内で初めて、高校生を対象にした「エコ・ガイダンス」を開いた。

環境問題に取り組む北大をアピールし、道外の受験生獲得を狙った試み。北大受験者は過去十年間で道内は三割伸びる一方、道外は二割減った。「研究者や学生の生の声で魅力を伝えたい」(杉山代表)と企画した。

信濃卓郎・北大大学院農学研究院准教授らが、化学肥料に頼らず植物の根の力を生かした食糧増産の研究などを紹介。大学院生が学内の映像を流し「農場は東京ドーム十一個分」と説明した。

江戸川女子高二年の黒瀬万里子さん(17)は「工学部でエネルギー問題を学びたい」、同級生の中川裕子さんも「海洋生態に興味があり水産学部を受けたい」と希望を膨らませたようす。一方で、会場には父母ら合わせて約三十人が参加したが、肝心の高校生は十人足らず。事務局では「広報の不足」と反省していた。