『毎日新聞』鹿児島版2008年3月5日付

鹿児島けいざい:鹿児島大の開発技術、IT関連企業に披露


◇市の「産学連携」事業で

市内の企業との連携を目指し、鹿児島大が開発した技術をIT(情報技術)関連企業に披露する催しが鹿児島市のソフトプラザかごしまであった。同大教授の説明に、経営者や社員ら約30人が耳を傾けた。

市が産学連携の推進を目的に今年度から始めた事業の一環。昨年9月に鹿児島高専を招いて開催し、ビジネス化に向けて共同研究を進めている。同大は今回、初めて参加した。

学術情報基盤センターの下園幸一准教授は、定年後の世代をターゲットに、インターネットを活用した学習事業を提案。「ITに抵抗の無い世代が退職にさしかかり、今後高齢者のIT化が進むので、市場は広がる」などとビジネス化の可能性について説明した。

このほか、暗証番号入力の代わりに赤外線カメラを利用する方法や、病院などでの薬品管理システムの電子化技術などが紹介された。

同市内のインターネットプロバイダー運営会社に勤める中原孝博さん(42)は「鹿児島はインターネット普及率が全国最低レベル。産学連携して商品開発することに加え、需要をどう掘り起こしていくかが課題」と話していた。【福岡静哉】