『中日新聞』2008年3月4日付

岐阜大が職員向け直営保育園 仕事と子育ての両立応援


岐阜大(岐阜市)は4月から学内に大学直営の職員向け保育園「ほほえみ」を開設する。大学病院の医師、看護師ら仕事と子育ての両立に悩む職員を支援する。岐大によると、国立大学の保育園は外部委託が主流で、直営は東大、北海道大にある程度で珍しいという。

保育園は同市柳戸にある教育学部の淡水魚研究施設跡に新設。温かみのある木造平屋(延べ床面積約270平方メートル)で、子どもが走れる園庭(894平方メートル)も確保。自然光を多く取り入れ、壁を極力なくした。保育士7人を含む保育園職員10人程度を雇用する。園児定員は約30人。0−1歳児を中心に約35人の応募があり、大学病院関係者が約7割を占めたという。

1970年から職員が自主運営する大学病院の保育所「たんぽぽ」があったが、出産や子育てによる女性職員の退職を大学全体でくい止めようと、2007年3月に直営保育園の新設を決定。県内で私立幼稚園理事長を務める春日晃章准教授(保健体育)を委員長に、保育士や保護者らで委員会をつくり、準備してきた。

運営には国の助成金を活用。日曜、祝日が休みで平日は午前7時半から午後10時まで。利用料は、1歳児が月額4万2000円で公立幼稚園と同程度に設定した。

3日には設置記念式典があり、黒木登志夫学長は「これまで女性職員のサポートが不十分だった。最もいい環境で施設を設けることができて良かった」と話した。