共同通信配信記事 2008年3月1日付

大学に5・5兆円の支出を 慶応大塾長らが提言


近く生まれる子どもたちが大学に進学する2025年には、大学生を1・3倍の375万人に、高等教育への公財政支出も倍増の5・5兆円が必要−。慶応大の安西祐一郎塾長やお茶の水女子大の郷通子学長ら4人が1日までに、数値目標を盛り込んで大学の近未来像を描いた提言を中教審に提出した。

日本の高等教育への公財政支出は年約2兆6000億円。対国内総生産(GDP)比率は先進諸国では最低レベルで、財政難から予算も削減傾向だ。

提言は「財政事情に無理解ではない」としながらも「先進諸国が高等教育への投資を競い合うように伸ばし、量拡大と質向上を追求している現実を無視するのは鎖国的発想」と断じている。

中教審は08年度から5カ年の教育政策目標「教育振興基本計画」を策定中。4人はいずれも中教審の大学分科会と教育振興基本計画特別部会の委員や臨時委員を務めており、提言を計画に反映させたい考えだ。