『読売新聞』栃木版2008年2月29日付

宇大と小山高専協定
共同研究や大学院推薦入学


宇都宮大(宇都宮市峰町)と小山工業高専(小山市中久喜)は28日、共同研究の推進や大学院への推薦入学などを柱とする協定を結んだ。地域に貢献できる技術者の育成が狙いで、宇大が特定の学校と推薦入学制度を設けるのは初めて。

少子化が進む中、地元の優秀な人材を確保したい大学と、学びや進路の幅を広げたい高専の思惑が一致した。

両校は2003年度から、互いの学生を特別聴講生として受け入れる単位互換制度を行っている。過去5年間で、高専の本科(5年)を終えた学生計33人が工学部3年に編入学した。新年度以降は、専門分野が重なる研究室間の交流や共同研究を強化する。09年4月からは、本科修了後に専攻科(2年)で学んだ高専生に対し、大学院工学研究科への推薦入学の道を開く。

小山高専の卒業生は現在、約4割が県内外の大学などに進学しており、藤本光宏校長は「地元の優れた教育機関で学ぶチャンスが広がったのは、学生にとって大きなメリットになる」と話す。

宇大の菅野長右ェ門学長も「技術力や設備面で協力しあい、地域発展に貢献していきたい」と期待を込めた。