『読売新聞』2008年2月28日付

香川大に博物館…4月中旬オープン
「地域密着」アピール


香川大の付属博物館が4月中旬、高松市幸町の教育学部内にオープンする。大学が所蔵する膨大な研究資料を一般公開することで、〈地域に根ざした大学〉としてイメージアップにつなげるのが狙い。大学付属の博物館は四国初といい、香川大は「地域の文化交流拠点として利用してほしい」と呼びかけている。

香川大は、工学部(同市林町)と農学部(三木町)を建設する際に出土した弥生時代の土器や、坂出市で採取したサヌカイトなど約7000点を所蔵しているが、これまでは研究内容に応じて各学部でばらばらに保管していた。

一般公開の機会になかなか恵まれず、貴重な資料が死蔵されたままになっていることから、大学は2005年、博物館設置の準備に着手。校舎内に約300平方メートルのスペースを確保し、うち約100平方メートルを展示室、残り約200平方メートルを収蔵庫と収蔵品保存処理のための作業室に充てた。

オープンに向け、高松市内で2度の学外展を開催。昨年1月は農学部が所有する古い農機具などを並べ、今年1月には工学、農学両部が取り組む里山の研究成果とともに、チョウやシカなどの標本を紹介した。

今後、工学部が開発を進める小型人工衛星「STARS」の模型や、窓ふきロボットを博物館に展示していくという。

館長の丹羽佑一・経済学部教授は「収蔵品を展示するだけでなく、討論会や講演会を開いて、様々な人が文化を深める場にしたい。博物館を見学して、香川大の研究に興味を持ってもらえれば」と期待を寄せる。