『静岡新聞』2008年2月28日付

独立法人化を検討 文化芸術大 県議会で知事答弁


県議会2月定例会は28日、代表質問を行い、石川嘉延知事は、現在、公設民営方式となっている静岡文化芸術大(浜松市)の運営形態に関し、「順調な運営が進んでいるが、先々の安定した運営基盤を確立させる上でも公立大学法人化について文部科学省や総務省など関係機関と早急に調整する」と述べ、独立行政法人化に向けた検討を進める考えを明らかにした。小楠和男氏(自民、浜松市南区)の質問に答えた。

静岡文芸大は平成12年に県と浜松市、地元産業界が協力して開学した。組織運営や教育研究活動の面での機動性、弾力性を発揮させ、自主性・自律性の高い大学運営の実現を図るため、これまで公設民営方式の「私学」となっている。

同大が開学した時には16年制定の公立大学法人制度はなく、石川知事は「(公設民営は)さまざまな欠陥があった公立大方式に比べ、より欠陥が少ない方式を採用した。(制度の)先取りだったと評価されている」と説明。その上で、同制度ができ、県立大も公立大学法人の経営に移行したことを受け、「(静岡文芸大も)乗り換える必要があると感じている」と指摘し、運営形態変更の実現に向け、検討を進めるとした。

静岡文芸大は文化政策、デザインの2学部。文化政策学部には国際文化、文化政策、芸術文化の3学科、デザイン学部には生産造形、メディア造形、空間造形の3学科がある。