『読売新聞』関西版2008年2月27日付

一橋大が関西“進出”
来月から公開講座 学生獲得へPR


一橋大(東京都国立市)は、関西でシンポジウムや講演会、編入学説明会などを3月から順次始める。「大学全入時代」を前に、関西で知名度の浸透を図り、学生を獲得する狙いがある。関西では、早稲田、慶応など東京の私大がPRに力を入れ始めており、国立大も「学生争奪」に乗り出してきた格好だ。

一橋大は、第1弾として定期公開講座「関西アカデミア」を3月22日、大阪科学技術センタービル(大阪市西区)で開く。3月15日には、社会人を対象に大学院経済学研究科の編入学説明会も行う。シンポジウムや講演会を年2〜3回開き、高校生対象のセミナーも検討する。

今春、慶応大が大阪大病院跡地(同市福島区)に拠点を設けるほか、早稲田も公開講座を計画するなど関東系大学の関西進出が相次いでいるが、国立大では初の取り組みという。

一橋大の07年度の入学者数は1013人で、うち近畿2府4県からは56人。山内進副学長は「京都大、大阪大など有力大学が多い関西では一橋も知名度が不足している。より良い人材を求め、関西にくさびを打ち込みたい」と意気込む。講座を活用して大学の魅力をアピールし、将来の拠点設置の可能性も探る。