『産経新聞』 2008年2月25日付

一橋大が大阪で定期講座開設へ 関西からの学生集めに異例のPR


一橋大学(東京都国立市)が今年3月から、大阪市内で定期的に公開講座を開くことが25日、分かった。私立の早稲田大学が同様の講座を開いたり、慶応大学が大阪市内に拠点を設けるなど「関西進出」を果たしているが、関東の国立大が定期講座を設けるのは極めて珍しい。少子化の影響などで「大学全入時代」を迎えるなか、関西からの学生確保が目的で同大では「一橋をアピールして学生発掘につなげたい」としている。

講座は「一橋大学関西アカデミア」で、第1回は3月22日に大阪科学技術センタービル(大阪市西区)で、「人を創る、都市(まち)を創る−未来を拓く大阪」をテーマに開催。関西国際空港の村山敦社長らを講師に迎え、シンポジウムなどを行う。

一橋大は東京都の石原慎太郎知事らの母校だが、関西では比較的知名度は低く、昨年の志願者数は近畿2府4県で340人と全体の約6%にとどまっている。少子化の影響で志願者数そのものが減る可能性があり、同大は関西からの入学希望者を増やす必要があると判断した。

入試情報誌などを発行する「大学通信」(東京都)の安田賢治常務は「関西は地元志向が高く、関東の大学はこれまで関西での活動に消極的だったが、大学全入時代を迎え、意識が変わった。国立、私立に関係なく、今後さらに学生の確保をめぐる競争は激しくなるだろう」と話している。