『朝日新聞』2008年2月17日付

大学の美味いかが 24校が研究成果を即売 20日まで


日本各地の24大学が、それぞれの研究成果を生かしてつくった「大学ブランド食品」を持ち寄り、16日から展示・即売を始めた。東京の新宿高島屋11階が競演の場で、名づけて「大学は美味(おい)しい!!フェア」。20を超す国公私立大が連携し、100以上の品目を一挙に売り出すのは、主催者によると初めてという。20日まで。

各大学の農学系を中心とする教授らでつくる「フェア実行委員会」が、大学の味を連載で紹介した小学館の情報誌「DIME(ダイム)」などに協力を求めて実現した。

「もちっとした食感のパンです。食べてみて」「いい香りのワインでしょう。ぜひ飲んで」

学生たちも各ブースで試食を勧めたり、調理してみせたりと、売り込みに余念がない。「形を変えた研究発表の場。お客さんがどう評価してくれるか楽しみ」と、北海道大の敦賀俊輔さん(23)は言う。

商品の多くは、1個ああたり数百〜数千円で買えるものばかり。研究や実習の過程でできた物や、地元の素材を引き立てた物、地元企業と共同開発した物など様々。試行錯誤だった苦労話や、産学の知恵で奇跡を生んだドラマの一端を、教職員や学生から聞けたりもする。

フェア実行委員長の渡部俊弘・東京農業大教授は「食の安全に関心が高まるなか、各大学が環境や健康にこだわってつくった品をぜひ味わってほしい」と話す。これを機に大学間の連携を強め、全国各地で同様のイベントを開きたいともいう。