『佐賀新聞』2008年2月14日付

佐賀大、付属病院再開発などビジョン策定


佐賀大学は2015年までの中長期ビジョン(将来構想)を13日、発表した。原案の一部を見直し、医学部付属病院の「整備・再開発」を新たに明文化。医療の高度・多様化に対応し、一部改築を目指す。教職大学院構想については「検討を重ねたが、見通しが立たない」として、新設などの表現は盛らなかった。

中長期ビジョンは教育や研究、社会貢献、大学運営の方向性と主な取り組みを列記している。

付属病院については「地域包括医療の拠点」と位置付け「病院財政基盤を強化するため、増収を図る」と明記。長谷川照学長は記者会見で「最先端医療の実現は最大の社会貢献の一つ」と整備・再開発に意欲を見せた。具体的に検討する全学委員会の立ち上げも同日、役員会で了承した。

このほか、教養教育の充実へ向けた「全学教育機構」(仮称)の創設を掲げ、学士から博士課程まで体系的に教養を身につける独自のシステム確立を目指す。大学の活動について一元化して紹介するデータベースの構築もうたっている。

一方、教員養成については原案で「発達障害と心身症への支援に強い教員養成」に重点を移すと踏み込んでいたが、一つの「特長」に変更、後退した。教職大学院構想は「実践的な高度専門職業人の養成機能を有する教育課程を編成する」という表現にとどめた。

中長期ビジョンは、10年から6年間の第2期中期目標・計画の指針とする。原案には、教職員や学生を対象にしたパブリックコメントで27件、131項目の意見が寄せられた。