『読売新聞』新潟版2008年2月6日付

県立看護大で次期学長選びが難航、新学期に不在の恐れも


県立看護大学(上越市)の次期学長選びが難航している。昨年9月の公示から足かけ半年、今月4日に実施された3次公募の選挙でも学長予定者の決定に至らなかった。12日に上位候補者2人による“決選投票”が行われるが、それでも決まらなければ、日程上、新年度スタート時に学長不在という異例の事態となることがほぼ確実。大学関係者は「早く決まってほしい」とやきもきしている。

大学事務局によると、2002年4月創立の同大の学長任期は4年で、再任の場合は2年ずつ2回まで務めることができ、最長で計8年間在職できる。開学以来、現在の中島紀恵子学長が務め、今年3月末で1回目の再任の期限切れを迎える。

同大学長選は、学内外に門戸が開かれ、学内審査をパスすれば候補者になれる反面、当選には選挙権を持つ常勤教員の「有効投票の3分の2以上」という高いハードルがある。

現学長の任期切れを控え、学長選考委員会は昨年9月に学長選日程を公示、立候補を募ったが、10月下旬の締め切りまでに1人も名乗り出なかった。

やむなく11月中旬まで2次公募したところ、中島学長を含む4人が応募。選挙の結果、“当選者”はなく、規程により、上位2人による決選投票になった。しかし、有効票48を24票ずつで分け合い、3次公募を行うことになった。

1月下旬の締め切りまでに学内外から6人が名乗り出て、5人が候補適格者に。ところが、今月4日の投票でも、1位が「有効票の3分の2以上」という当選規定をクリアできず、再度、“決選”の場に持ち込まれることになった。

大学によると、学長選びが難航する背景には、全国的な看護系学部の増加による人材不足と、公示から投票まで約2か月かかる選挙日程や当選要件を「有効票の3分の2以上」とした規程が影響しているという。

12日に決選投票 そのため、大学側は12日の決選投票でも決着しない可能性があると見ており、4次募集で投票が4月にずれこみ、新年度に学長が不在となることも「ある程度は想定しなければ」という状況だ。

05年3月に現行規程が作られた時は、こうした事態を予測していなかったと見られ、大学側は「早く学長が決まることを願うのみ」と、なりゆきを見守っている。