『山形新聞』2008年2月5日付

指導力向上めざし連携組織 山形大が東日本の大学と設立へ


山形大は、東日本地域の大学などに参加を呼び掛け、教員の資質向上を図る連携組織「FD(ファカルティ・ディベロップメント)ネットワーク“つばさ”」の設立に向けて準備を進めている。現在、25校の参加が見込まれており、授業改善やカリキュラム、教育制度改革などに連携して取り組んでいく。

FDは、教員の授業内容や教育方法などの改善、向上を目的にした組織的な取り組み。文部科学省の大学設置基準の改正で、今年4月から大学の学士課程におけるFDが義務化される。

同大は2004年、県内5つの大学や短期大に呼び掛け、「地域ネットワークFD“樹氷”」を設立。大学や短期大がネットワークをつくり、FDに取り組むのは全国初の試みで、授業改善ハンドブックの作成や教養教育の連携、合同研修会などを重ねてきた。

“つばさ”では、これまで培ってきた実績とノウハウを基盤に、連携を北海道、東北、関東地区に広げる。参加校は随時募集するが、現在、18大学、4短期大、3高等専門学校が参加を申し出ている。

事業は、各校のFD担当者で組織するFD協議会が核となって進める。具体的には、共通形式の授業評価アンケート、公開授業、教養教育ワークショップ、FD合宿セミナーなどを行う方針だ。

今年3月末に、発足式を兼ねた結成記念集会を開く。結城章夫学長は「FDは、各大学共通の課題。力を合わせ、お互いを高めていきたい」などと話している。