『朝日新聞』2008年2月4日付

名古屋大大学院 「地球温暖化」コース設置へ


名古屋大学が08年度中にも、大学院の環境学研究科に地球温暖化を専門的に研究する新しいコースを設ける。人材育成が目的で、「環境政策」の重要性をいち早く唱えたドイツの科学者エルンスト・フォン・ワイツゼッカー氏ら10人の研究者を講師に就く予定だ。

ワイツゼッカー氏が科長を務める米カリフォルニア大サンタバーバラ校(UCSB)環境科学・マネジメント研究科との間で3日、共通のカリキュラム策定などに向けた協定を結んだ。清華大学(中国)、エネルギー資源研究所(インド)、アジア工科大学(タイ)などの協力も取りつけており、これらの機関の学生の聴講も想定している。

環境学研究科には地球環境、都市環境、社会環境の三つの専攻があるが、自由度を持たせるため、これとは別にコースという形にした。日本人学生が入るには、このコースの試験に合格しなければならない。奨学金制度も整える予定だ。定員などの詳細は今後、詰める。

林良嗣科長は「テーマを温暖化の総合研究に絞った大学院は世界を見ても珍しい。素晴らしい講師陣に見合う、素晴らしい人材を輩出するコースにしたい」と話している。