『中日新聞』2008年1月15日付

15法人、破たんの可能性 私立大・短大の経営状態


私立学校への国の助成金分配や経営相談などをしている日本私立学校振興・共済事業団は、私立大9法人と私立短大6法人の経営状態について「教育研究活動のキャッシュフロー(現金収支)が赤字で、外部負債も過大。破たんにつながる可能性もある」と判定した。

この15法人を含め、キャッシュフローが赤字で運用資産が十分でなかったり、黒字でも外部負債が大きかったりするなど経営に何らかの問題を抱え「イエローゾーン」と判定されたのは大学64、短大34の計98法人あった。

事業団は「単純化した指標で判定しており、98法人すべてが経営困難というわけではない。15法人も不採算部門の廃止などで経営の正常化は可能」としている。

事業団は全国すべての私立大521法人と私立短大144法人を対象に2005、06年度の決算や入学者数などを調査。それを基に事業団が定めた指標で経営状況を見た。その結果、イエローゾーン98法人に次いで「イエローゾーンの予備的段階」と判定されたのも大学98法人、短大33法人あった。「正常状態」だったのは大学359法人(69%)、短大77法人(53%)だった。

「経営状況は各法人が自主的に公表するべきだ」として、事業団は法人名を公表していないが「改善計画の策定などを求めていきたい」という。

経営悪化の主な理由は少子化とみられる。大学数は年々増え、07年度は私立大の40%、私立短大の62%が定員割れ。