『京都新聞』2008年1月12日付

学研都市発、先端技術の実用化目指す
産学連携支援へ企業設立


関西学研都市で2002年から5年間行われた国の産学連携プロジェクト「知的クラスター創成事業」の中核メンバーが11日、産学連携で新事業を創出するプロデュース企業「KIPS(けいはんなイノベーションパートナーズ)」を京都府宇治市で設立したと発表した。研究成果と企業の製品開発力などを組み合わせ、学研都市発の先端技術の実用化を目指す。

創成事業の実施地域に選ばれた学研都市では、文部科学省の助成を受けて大学や関西企業などが先端技術の研究開発を進めたが、06年度で終了した。KIPSは、事業統括の野依正晴氏や参画企業だったマイクロニクス(京都府宇治市)の八木良樹社長らが研究成果を引き継いで新規事業を創出しようと、1010万円を出資し、設立した。

KIPSの社長には八木氏、会長には野依氏が就任。学研都市を中心とした大学や研究機関の研究成果を活用し、KIPSがパートナー企業と連携して試作品開発や特許申請などを行う。事業化の可能性が高まれば、国内外の企業に販売を委ねてロイヤルティー収入を得たり、技術移転を行うなどして収益に結びつけていく。

当面は、知的クラスターで開発した半導体デバイス実装装置やポリープ切除機能付き耳鼻咽喉(いんこう)内視鏡などの販売を目指す。八木社長は「11年度に20億円規模の事業に育てたい」と話した。