『朝日新聞』2008年1月14日付

カップめんの次はキャベツのワイン 横国大ブランド


横浜国立大学(横浜市保土ケ谷区)の若手職員が昨年8月に立ち上げたプロジェクトによる、大学オリジナルブランド商品が好評だ。大学周辺の農家がつくったキャベツを使うワインを同12月中旬から発売。第1弾で発売中のカップめんも、売れ行き好調で増産した。同大は「大学のPR効果として絶大。こうした取り組みで大学の知名度を上げ、学生確保につなげたい」と説明する。

ワインの名前は「モン・プティ・シュ」。仏語で「かわいいあなた」の意味で、「シュ」はキャベツを指す言葉でもある。仏語に堪能な渡辺慎介副学長が命名した。

20〜30歳代の若手職員中心に試飲を重ね、ラベルもパソコンで作成した。焼酎や日本酒の案もあったが、横浜らしいおしゃれな雰囲気を考えてワインにしたという。

原料のキャベツは、同大常盤台キャンパス最寄り駅の市営地下鉄三ツ沢上町駅からの通学路沿いにある畑で収穫された。同大職員が10月末ごろに目を付け、畑の所有者の藤巻芳明さん(52)と交渉。大学近くの酒店を通じ、山梨県甲州市のワイナリーが藤巻さんのキャベツを使ってつくることで話がまとまった。赤白ともにアルコール度数は9%と控えめで、さっぱりした味わいが特徴だ。

藤巻さんによると、キャベツの品種は「YRかぎろひ甘藍」という新しいもので、昨年11月のJA横浜保土ケ谷支店の品評会で優秀品種の称号を得た。藤巻さんは「育てたキャベツがワインになるとは予想もしなかったが、地域交流にもなるし、農家の取り組みを支えてもらえて力強い」と喜ぶ。

第1弾で11月に発売を始めたカップめん「カラッチーノ」は、唐辛子を使った辛さが特徴のペペロンチーノ風味。製めん会社の選定や命名などを、ワインと同様に20〜30歳代の同大の若手職員が進めた。生産の最少単位は6000個だが、11月上旬の発売後、2週間で3000個売れたため、増産しているという。

同大の大沢俊正広報・渉外室長によると、現在オリジナルの「手焼きせんべい」を開発中。市内の菓子店と提携し、同大のシンボルマークを表現した焼きノリを張ることを模索中だ。

ワインは1本1300円、赤白のセットで2500円。鈴木屋本店(045・333・3033)で購入できる。カップめんは同大生協で、1個70円で販売している。