『室蘭民報』2008年1月12日付

室工大、授業料相当額を支援 大学院博士後期課程


室蘭工業大学(松岡健一学長)は11日、平成20年度から大学院博士後期課程の全学生対象に授業料相当額を支援するほか、留学生に返済義務のない奨学金を支給すると発表した。学生の経済的な負担を軽減することで国内外から優秀な学生を確保する狙い。

後期課程に在籍する社会人を除いた全学生を研究補助者(RA)として採用し、授業料(年額53万5800円)相当額を報酬として支払う。社会人学生は同額の授業料を免除する−内容。

留学生支援の対象は、学部と大学院の前、後期課程に在学する私費留学生。奨学金の支給額は月5万円。財団などの奨学金受給者、外国政府の派遣留学生は対象外。返済義務はない。後期課程に在籍する留学生は、後期課程の学生支援と併用できる。

事業規模は全体で約5600万円。財源は共同研究などで獲得した外部資金の一部ほか各種基金、寄付金などを充てる。室工大の大学院後期課程は定員72人(1―3年、1学年24人)に対し学生数は66人(1月1日現在)と定員割れし、学生確保が急務だった。

大学全体の留学生51人のうち、後期課程の在籍者は9人(うち私費留学生は5人)。他大学と比べ、留学生の少なさが目立つ。同課程の留学生は平成15年度に25人を数えたが以後、減少が続いている。

留学生支援を担当する同大国際交流センターは「私費留学生は経済的事情でアルバイトしているケースも多い。奨学金の支給は留学生を呼び込む好材料になる」と期待する。今後は全体で70人程度まで増やしたい考え。担当教官が9日から学術交流協定を結ぶ中国の大学訪問を始めたほか、他の海外大学に電子メールなどの手段で周知に乗り出している。

同大では「優秀な学生や留学生にたくさん来てほしい」と話している。