『読売新聞』2008年1月9日付

三重大学長 ブログ人気…アクセス3か月余りで7600件
「地方大生かす政策」要望 プライベートも写真添え


全国の大学でインターネットのブログを始める学長が増える中、三重大の豊田長康学長も昨年10月、個人のブログを開設した。三重大ホームページ(HP)のトップ画面から閲覧できる。アクセス数は7600件を超えており、豊田学長は「これからの学長は、『ブログ力』が試される」と力を込めている。

昨年5月、多くの地方国立大で国からの運営費交付金が削減されるとの財務省試算が明らかになった。これに異論を唱える形で、豊田学長は「学長緊急声明」を発表。「この声明が、地方国立大学の必要性を唱える全国知事会の声明発表につながった」と振り返る。これを機に、「組織のトップとして積極的に情報発信をする必要がある」と考えるようになった。

以前は「学長メッセージ」として、HPに学内向け文書を掲載していたが、人文学部の児玉克哉教授から「親しみやすい文章のほうがいい」と指摘され、ブログを勧められた。

内容は、学内外の行事やプライベートでの出来事など、バラエティーに富んでいる。その折々に、「国には、やたらと地方大学の予算を削る計算をするのではなく、地方大学の潜在力を生かす政策をお願いしたい」などの主張も掲載している。添える写真は、自ら携帯電話のカメラで撮影したものがほとんどだ。

「大学のPRに終始せず、自分自身が日ごろ感じたままのことを書いており、多くの人に共感してもらいたい」。豊田学長は「伝えたいことが、どんどんわき起こってくる」と、ブログ更新に意欲満々だ。