『山形新聞』2008年1月8日付

山形大が「結城プラン」発表 課題と目標、初の年間計画


山形大は8日、2008年の取り組むべき課題と目標をまとめた行動計画「結城プラン」を発表した。山形市の小白川キャンパスにある3学部が連携する大学院創設への検討や、海外サテライトの設置などを盛り込んでいる。同大が年間計画を策定するのは、初めての試み。

同プランは、結城章夫学長が就任時に大学運営方針として掲げた▽学生が主役となる大学創(づく)り▽教養教育の充実−の2点を基本方針にした。その上で重点事項として、教育や学生支援、研究、キャンパス環境、社会連携など10項目を挙げ、それぞれ具体的な施策を打ち出している。

このうち、教育では、教養教育を学士課程教育の核に据え、高年次教養教育の展開などを含むカリキュラムの再構築を進めるため、学長をトップにした検討組織を設置する方針を表明。また、組織運営・人事面では、既に設置が既定路線となっている教職大学院とは別に、人文、地域教育文化、理の3学部の連携による大学院新設の検討をスタートする。検討組織を設け、今年9月に第1次の結論を出す方針だ。

学生支援では学生のコミュニケーション能力の育成に向け、09年度までに4つのキャンパスにサークル棟を新設。学長裁量経費を用いて、全体で100の部室を整備する。研究分野は、科学研究費補助金の09年度申請件数を1000件以上(08年度約730件)にする目標を設定。さらに、学生交流などの拠点として、海外サテライトの複数設置を盛り込んだ。アジアに1カ所、ヨーロッパに1カ所の設置を考えているという。

このプランは、08年末に達成状況を検証することにしている。結城学長は記者会見で「1年間の行動計画だが、すべてが今年中にできるとは考えていない。7、8割の達成を目標にしていく」と語った。