『読売新聞』2008年1月7日付

大学間競争生き残れ、立命大副総長らが「学長特訓塾」


大学全入時代の激しい競争を勝ち抜く大学トップを養成しようと、本間政雄・立命館副総長(大学経営論)らが今夏、全国の大学学長らに参加を呼びかけ、「学長特訓塾」を開講する。「戦略的広報」「危機管理」などのテーマで専門家が講義し、〈生き残り策〉を伝授。リポート提出など宿題も多く、学長らが及第点を取れるか注目される。

本間副総長は、京都大副学長当時の2005年に「国立大学マネジメント研究会」を設立し、産学連携による大学経営の安定などを提唱。昨年8月に発足させた「戦略的大学経営研究所」を母体に、有馬朗人・元東京大学長らの協力で学長養成のプログラムを実施することにした。

計画では、8月下旬〜10月上旬に計150時間のカリキュラムを設定。週末の合宿などで集中的に講義を行う。学長自らが広告塔となるPR法や多様な入学選抜などを教えるほか、教職員の不祥事や付属病院での院内感染発生など実例に即して、トップの望ましい姿勢を探る。受講生同士の討議や模擬記者会見も行い、教職員の人事評価や資金調達と運用なども取り上げる。

受講は有料。危機管理の専門家や広告会社幹部らを講師に、東京都内などでの開講を想定し、毎回の講義後と全課程修了時にはリポート提出を課す。本間副総長は「経営破たんする大学もある今、学長の責任は一層重い。難局でもリーダーシップを発揮できる人材を養いたい」と話している。