『毎日新聞』2008年1月3日付

研修医:島根・秋田大と東京医科歯科大で相互派遣へ


島根大と秋田大の両医学部付属病院は08年度から、東京医科歯科大医学部付属病院と研修医の相互派遣を始める。国立大同士が研修医を相互派遣するのは全国初。都市部の研修医に地域医療を体験してもらい医師確保につなげる狙いで、地方の医師不足が深刻化する中、3大学病院の取り組みが注目される。

学会などで交流のある3大学の意見が一致。島根大病院(島根県出雲市)の1年目の研修医が東京医科歯科大病院(東京都文京区)で救急と麻酔の研修を受ける一方、医科歯科大病院の2年目の研修医が島根県内の公立邑智病院など中山間地の病院で地域医療を体験する。秋田大病院(秋田市)と医科歯科大病院は共に2年目の研修医を交換する。研修医は3カ月間、1人ずつ相互派遣する。

厚生労働省の調べでは、06年末の人口10万人に対する医療施設従事の医師数は、秋田県が188.9人(全国平均206.3人)、島根県は247.8人。島根は全国平均を上回るものの、離島と中山間地を抱え、秋田と共に慢性的な医師不足が深刻化している。【細川貴代】