『毎日新聞』2007年12月27日付

高知大 「学長選で票すり替え」
対立候補が刑事告発


今年10月にあった高知大学の学長選考を巡り、相良祐輔学長の対立候補だった高橋正征・同大学大学院教授が26日、選考に不正があったとして無効確認を求める訴訟を高知地裁に起こした。併せて同日、選考の参考となる学内の「意向投票」で票のすり替えがあったとして、窃盗と偽計業務妨害容疑で被疑者不詳のまま高知地検に刑事告発した。
【服部陽】


原告側によると、04年の国立大学法人化以降、学長選考を巡る告発は全国初。意向投票は教職員対象で、原告側は告発状で「何者かが高橋票20票を盗み、開票ミスがあったかのように見せかけ、意向投票管理委員会の業務を妨害した」と主張している。同地検は告発を受理する方針。

訴状によると、意向投票では当初、高橋教授が419票、相良学長が378票を獲得。ところが開票終了後、大学の事務局職員が票の入った箱を無断で開け、高橋票に相良票20票が紛れていたと指摘した。数え直すと1票差になっており、学長選考会議では41票差と1票差の投票結果がともに参考資料とされ、相良学長が選ばれた。原告側は「意向投票が確定していないのに選考したのは規則違反」などとして選考の無効を求めている。

大学側は「訴状が届いてから対応を検討したい」と話している。