『高知新聞』2007年12月22日付

高知大学長選考 学外委員が質問状回答
抗議疑問視に学生反発


高知大学の学生有志は21日、高知大の学長選考会議(議長・篠和夫農学部長)の学外委員4人に提出していた公開質問状の回答を公表した。それによると学外委員は、学内意向投票の結果を覆し、現学長の相良祐輔氏を次期学長候補に選んだ理由について「実績や3年間の大学の運営状況などを参考にした」と選考の正当性を主張。選考無効を訴える教授や学生らの抗議活動などを「扇動的な言辞があり、不穏当」と疑問視している。学生有志らは「私たちの活動を否定するものもあり、悲しく、憤りを覚える。大学を民間の企業運営と同じ発想でとらえていることが分かった。学長選考にかかわるすべての権限を持っている選考会議の委員がこういう認識を持っていることに不安を覚える」と強く反発している。 (高知大学長選考取材班)


委員「法人化で学長は社長」

同会議の委員は、理事と学部長、学外有識者の11人で構成。このうち学外委員は関裕司・ニッポン高度紙工業会長(次期学長を選考した10月17日の会議は欠席)、西山彰一・宇治電化学工業社長、藤原健男・テレビ高知相談役、細木秀美・医療法人仁生会細木病院理事長の4人。

学生有志は▽意向投票の結果を覆し、相良氏を学長候補に決定した十分な理由▽一連の学生や教授らの抗議活動や世論の高まりをどう思うか−−の2点について質問。

学外委員は、相良氏を選考した理由を「所信表明や実績に加え、この3年間の大学の財政運営などの指標を参考にした」などと説明。報道や抗議活動には「騒ぎはきつねにつままれたようだ。選考会議に報告もされないうちから意向投票の結果が学外に漏れた」「抗議活動や文書で大学の私物化や、非民主的などの扇動的な言辞が弄(ろう)されているが、全く不穏当な表現であり、早急に撤回してほしい」と疑問視する内容が目立った。

委員の1人は「国立大学法人の学長選考は、会社で言えば社長を選考するもの。本来、社員の投票で選ぶべきものではない」と強調している。