『読売新聞』2007年12月26日付 大学でも「軍事スパイ」防止策、留学生審査を厳格化へ 政府は25日、核兵器などの大量破壊兵器開発に転用できる技術の海外流出を防ぐため、研究機関や大学を対象にした情報管理の指針「安全保障貿易に関する技術管理ガイダンス」をまとめた。 技術の内容に応じた公開基準の設定や留学生受け入れ審査の厳格化などを求めている。関係機関に年明けに通知する。 指針は、経済産業省と文部科学省が策定した。公開基準の設定について、「どんな情報でも自由に公開していいわけではない。基準に安全保障の観点が抜けていないかを確認すべきだ」として、「極秘」「秘」「対外秘」など3〜4分類して公開基準を定めるよう求めている。 また、大量破壊兵器等の開発を行っている「懸念国」としてイラン、イラク、北朝鮮の3か国を例示し、これら懸念国からの留学生受け入れについて「将来、本国に帰国し、軍事関連部門や軍需産業に就職する可能性のある留学生は、受け入れ部署の保有する技術との関係を慎重に検討することが必要」と記している。 これらの懸念国から受け入れている留学生や研究者は、文部科学省によれば5月現在で、イラン229人、イラク13人、北朝鮮0人。指針は、今後の受け入れの申請があった段階で、個人の経歴や国籍などを調査するよう推奨している。 このほかの留意点として〈1〉職員には退職までに保管している技術情報すべてを大学等に提出させる〈2〉特許出願、論文発表による情報の公開も注意する〈3〉外国人の施設見学は事前に内容を吟味する――等を挙げている。 |