『京都新聞』2007年12月26日付 大学院教育で協力 京大と東大、早大、慶大 京都大と東京大、早稲田大、慶応大の4大学は25日、2008年度から大学院生を相互に派遣、受け入れる学生交流制度を新設する、と発表した。期間は原則として1年以内で、各研究科同士で個別に協議して交流先を決定する。研究の高度化で指導教員の専門分野が細分化していることから、学生ニーズにあった研究分野を学べる機会を確保するのが狙い。 国公私立大の大学院改革について、政府の教育再生会議は今年6月、自大学出身者以外にも開かれた選抜制度の導入や、複数大学による研究科の共同設置を含めた「流動化」の必要性を指摘。こうした情勢を受け、東大側が、共同研究などで教員同士の関係が深い3大学に連携を呼びかけた。 交流対象は研究科で学ぶ修士、博士課程の学生。原則1年以内だが、博士課程は2年まで延長できる。学費は在籍する大学に支払い、派遣先の学費は必要ない。研究科同士の協議で受け入れ先を決め、派遣先の教員が研究指導にあたり、学位論文の審査にも加わることができる。大学の了承も得て単位認定も行うという。 同日、文京区の東大本郷キャンパスで行われた協定調印式には4大学のトップが出席。京大の尾池和夫総長は「東京の学生に、ぜひ京都に来て都の文化に触れてほしい。京都の学生は自由すぎてのんびりしており、東京で武者修行して、たくましく育ってほしい」と期待を表明。また、東大の小宮山宏総長は「他の大学も入りたいという動きは出てくる。日本で広めていく制度だ」と述べ、今後、より多くの大学と連携していく方針を示した。 |