『富山新聞』2007年12月22日付 医師養成で大学病院連携 金沢大、金沢医科大など 金大附属病院や金沢医科大病院など北陸三県の四つの大学病院が連携し、高度な知識と技能を持つ医師や臨床研究者を養成する取り組みが来年度スタートする。来年度政府予算案の復活折衝で大学病院連携型高度医療人養成推進事業の十五億円(全国枠)が復活する見通しとなった。新臨床研修制度の影響で地方の医師不足が深刻化する中、大学病院が特長を結集して魅力的な研修を構築、都市部への医師の流出を防ぐ。 文部科学省は地方の医師不足対策として新規に百億円を予算要求していたが、ゼロ査定だったため復活を求めていた。 金大、金沢医科大、富大、福井大の四大学が連携し、がんの放射線治療や、心臓の冠動脈バイパス手術、救命救急医療、東洋医学など、それぞれの大学が得意とする分野を集めた研修プログラムを用意。研修医の希望に応じて専門的な知識と技能を学ぶことができる。各大学の関連病院での初期医療の研修も盛り込まれるとみられる。 二〇〇四年度からの新臨床研修制度は、研修医が研修先の病院を自由に選ぶ仕組みのため、学ぶ内容が固定化されがちな大学病院での研修を避ける傾向となり、若い医師が都市部の病院に集中。医師が足りなくなった大学病院は過疎地に紹介していた医師を引き揚げ、地方での医師不足に拍車がかかっている。 北陸の四大学病院は今年度から、文科省の「がんプロフェッショナル養成プラン」に採択されており、高レベルのがん専門医「北陸がんプロフェッショナル」を養成している。来年度の大学病院連携型高度医療人養成推進事業についても金大附属病院の主導で共同申請する見通しである。 |