時事通信配信記事 2007年12月20日付 「公教育の再生」に重点=文教予算 「教育再生」を重点課題に掲げた安倍前内閣の下、文部科学省は計約7000人という大幅な教職員定数増を要求。福田政権に代わり、どのように扱われるか注目されたが、「歳出削減の方針は堅持」との姿勢の下、約1200人の定数改善にとどまった。ただ、全体的に見れば、文教関係予算は2007年度比0.3%増で03年度以来の増額。公立小中学校が抱える問題に対応する施策には手厚く配分されており、「公教育の再生」のメッセージは強く打ち出された形だ。 学校現場の改善で定数増とともに期待されるのが、「退職教育等外部人材活用事業」と「学校支援地域本部」(仮称)の創設。人件費抑制の中、正規の教員は思うように増やすことができないため、教員経験者ら外部人材を非常勤講師として活用し、地域のボランティアにも協力してもらおうという「苦肉の策」だが、学校の閉鎖性の打破、活性化につながり得る。 学校に理不尽な要求や抗議をする「モンスターペアレント」と呼ばれる親や、深刻な問題を抱える家庭の増加が、教育現場に影響を与えているとの指摘は多い。こうした問題に専門的に対応するため、新規施策として「スクールソーシャルワーカー活用事業」の創設も打ち出された。 高等教育関係は、国立大学運営費交付金が07年度比1.9%減、私学助成が同1.0%減。人件費など経常的経費は削減するが、「戦略的大学連携支援事業」を創設し30億円を充てるなど、競争原理に基づく改革支援は拡充している。 |