『琉球新報』2007年12月20日付

沖縄予算2551億円 本年度比3.4%減


【東京】財務省は20日午前、2008年度予算原案を各省庁に内示した。内閣府沖縄担当部局の内示額は本年度予算と比べ3・4%減の2551億3300万円となった。情報通信の一大集積拠点を目指す沖縄IT津梁(しんりょう)パーク(うるま市)には建設費8億円を計上した。観光産業で新規事業が目立つほか、人材育成にも重点を置いた予算配分となった。

ソフト事業が中心となる基本的政策企画立案等経費は242億8200万円で07年度予算に比べ15・7%の減。大きく落ち込んだ要因の一つは、沖縄米軍基地所在市町村活性化特別事業(島田懇談会事業)が本年度で終了するため。米軍ギンバル訓練場返還の遅れで期限内に間に合わなかった金武町のふるさとづくり整備事業は個別支援が認められた。

IT津梁パークは来夏に中核支援施設を着工する。観光分野では、外国人観光客誘致に向け国際観光地を目指すプロモーションモデル事業、自然環境に配慮して観光客受け入れ容量を定量化する支援事業など新規事業が並んだ。

国際交流としてアジア青年の家事業が新規で認められた。来年度の夏休み期間にアジア各国の中高生ら計75人を沖縄に招き、講義や体験学習などを行う。
 ハード事業が主となる沖縄振興開発事業費等は2308億5100万円で本年度予算比1・9%減。

沖縄科学技術大学院大学はソフト、ハードを合わせて107億4400万円で、本年度予算比で23・4%増と大幅な伸びを見せた。08年度から本格化する第一研究棟と管理棟の建設工事費が全体額を押し上げた。

老朽化の著しい宜野湾市立嘉数小学校など県内4小中学校は全面改築する。那覇空港は滑走路増設など将来対応方策を引き続き検討する。

北部振興事業は例年通り非公共、公共を合わせて100億円が計上された。

先島地区への地上デジタル放送整備費はゼロ査定だった。内閣府は22日の復活折衝に持ち込む予定。