『朝日新聞』2007年12月18日付

「教育バウチャー」モデル事業に 教育再生会議が提言


政府の教育再生会議の合同分科会が18日、開かれ、第3次報告の骨子案を大筋で了承した。学校間の競争を促す「教育バウチャー」を念頭に置いた制度をモデル事業として展開することを提言。道徳を「徳育」として教科にすることも第2次報告に続いて盛り込んだ。25日の総会で第3次報告を了承する予定。

骨子案は、(1)学力の向上(2)徳育と体育(3)大学・大学院の改革(4)学校の責任体制(5)現場の自主性を生かすシステム(6)社会総がかりでの子供、若者、家庭への支援(7)教育再生の着実な実行――の7本柱。

教育バウチャーは、学校選択制を導入した自治体で児童・生徒数に応じて学校に予算を配分する制度。モデル事業は希望自治体に限って行う。ただ、「バウチャー」の名称は「金券をばらまく印象がある」として使わなかった。

徳育の教科化は、文部科学相の諮問機関の中央教育審議会で慎重意見が相次いでいる。しかし、委員からは実現を求める声が強く、骨子案は「徳育を『教科』とし、感動を与える教科書を作る」とした。子どもの使う携帯電話に有害サイトへの接続を制限する法的規制を設けることも盛り込んだ。