『毎日新聞』2007年12月16日付 県立大再編問題:高知女子大と高知短期大、県立大のあり方を議論 懇話会発足 /高知 ◇来年6月めどに提案 県が検討している県立大学改革について、大学の教員や学生らでつくる「高知女子大と高知短期大学の未来を考える懇話会」(代表世話人、田中きよむ女子大教授)が15日発足した。今後、月1回程度、県民らと共にキャンパス移転の是非や大学のあり方など議論を交わし、来年6月をめどに意見をまとめて県民や大学に提案していく。 県は女子大の永国寺キャンパスを池キャンパスに移転・統合し、4学部4学科に再編。短大を廃止して社会科学系の学部の設置を検討している。しかし、県議会は6、9月の定例会で「費用が過大」「学内での合意がない」などとして関連予算を削除、計画を事実上凍結している。 この日は、高知市の女子大で初の会合を開催。代表世話人になった田中教授は「県立大が研究、教育を県民のためにどうすべきかという中身の議論がないままで、移転の議論だけが先行した。いったん白紙に戻して学内外から意見を集約して内発的な大学づくりをしたい」と話した。 続いて参加者約60人で「これからの県立大学に望むこと」をテーマに議論。短大の元教員は「女子大の池キャンパスは郊外にあり、学生は通うのが大変。学生の立場を考えての移転なのか」。短大OBからは「短大は社会人の学びの場で、県民の民度を高める働きもしている。その実績をベースに県は検討すべきだ」などの意見が出された。【服部陽】 |