『四国新聞』2007年12月16日付

がん専門職を広域養成−中・四国8大学院が連携


香川大など中・四国の8つの大学院が連携し、広域でがん医療を担う専門職を養成する「中国・四国広域がんプロフェッショナル養成コンソーシアム(連合)」による初めての集中セミナーが15日、三木町の香川大医学部で開かれた。香川県内外から医師や看護師ら約250人が参加、緩和医療をめぐる最新情報や課題などに理解を深めた。

同コンソーシアムは、日本人の死因の1位を占めるがんの治療に関し、地域のニーズに応える医療人を地域の大学から送り出していこうと、文部科学省の補助を受けて9月に設立。参加するのは香川、岡山、徳島、高知、高知女子、愛媛、山口、川崎医の各大学院で、得意の分野を生かしながら広域で人材育成を目指す。

各大学院は、がん医療にかかわる共通カリキュラムを設けるほか、8つのコースを設け専門職を養成。来年4月から各大学院で計約70人の学生を受け入れる。

香川大は、がん薬物療法専門医、緩和療法医、腫瘍外科医の3コースで計12人を養成。同大医学部付属病院の合田文則腫瘍センター長が中心となり、緩和療法医コースのカリキュラムを作成するなど、同コンソーシアムで中心的役割を担う。

この日の集中セミナーは専門医ら、がん医療に携わるすべての職種を対象とした研修の一環で、同コンソーシアムが初めて企画。緩和医療をテーマに薬物以外の疼痛(とうつう)管理、看護師から見た緩和ケアなどが報告された。