『中日新聞』2007年12月11日付 「大名古屋大学」中経連首脳が構想 世界的研究拠点を中部に 中部地方の産官学の力を結集しようと、理科系の世界的な研究機関となる「大名古屋大学」(仮称)の設立構想が、中部経済連合会(中経連)の正副会長ら首脳メンバーの一部で検討されていることが分かった。世界中から優秀な研究者を集め、新技術の開発・研究の「知の拠点」の確立を目指す。 名古屋大を中心に、この地域の国公立大などの理系分野を統合することも視野に入れるが、具体的な内容は今後数年間にわたって検討し、中経連の次の活動指針に盛り込むかどうか判断する。 全国の国立大学法人をブロック単位に統合・再編する構想は、日本経団連の御手洗冨士夫会長(キヤノン会長)が持論として展開。中でも大分県出身の御手洗氏は、九州各県の国立大学法人を統合する「大九州大学」構想を明らかにしている。 中経連は中部5県(愛知、岐阜、三重、静岡、長野)知事と名古屋市長のほか、名大など主要大学の学長、中経連の正副会長ら地域の産官学トップがメンバーとなった「中部産業振興協議会」を2002年から開催してきた実績がある。 その成果の一端は、ナノテクノロジー(微細技術)の研究・開発拠点の設立で結実した。中経連は04年に産官学連携によるナノテク推進会議を発足させ、拠点となる「ナノ構造研究所」を設立。今年4月、同研究所の起工式が行われた。 中経連が提唱する「道州制推進」の関連でも、道州ごとに統合・再編された国立大学法人が、産学連携による地域発展の中核になることが期待されており、東京と地方の格差是正にもつながるとの指摘もある。 |